八ツ橋村の祟りじゃ

秋です コスモス畑です in 遠野



父は戦中生まれで、学(がく)はないのですが、
記憶力は結構イイほうで、私はよく昔の話を聞かされることがある。


時に郷土史研究家が知らないようなことまで知っていたりすることがあり、
それを聞かされる私は、やがて自分が歳老いていく中で、
一番地元について詳しい人間になるんじゃないかと心配でならない。



さて、遠野市の住田町には、「滝観洞」という観光洞窟があって、
かつて映画「八つ墓村」のロケシーンとなったことは有名。



今日、遠野市へ買い物に行く途中、「滝観洞」の看板が見えたので、
父が「この滝観洞ってのは、昔、八ツ橋村ってので使われたんだよな。」と言ってきた。


「八ツ橋村」ではなく、「八つ墓村」なわけですが。
(・・・鼻で笑うだけにとどめました。)


※仕方がありません、もう90も近いのですから。



“そうか、父はあまり映画などは見ないほうだが、そのことは父も知っているのか”



帰り路、旧道283号線を通ると、「片岩」という石灰岩が表出した景勝地があるわけですが、
今の若い人が求める映え感などもないことから、そもそも景勝地であることを知っている人も少なく、
ここで特に「写真を撮ろう」なんて人もなかなかいません。



ところで、そんな旧道沿いには、以下のような
なんだか雰囲気のある小さな湖があるのですが・・・



かつて友達に「大物が釣れそうな場所を見つけた」と言われて、連れてこられたことがある。


しかし、私は以前に、ある古老から
ここは、ダムに沈んだ村なんだ」と聞かされたことがあったので、
それを友達に伝えたら、「じゃ、やめようか」となったことがある。


当然ながら、ここで釣りをする人も多いわけですが。



そんなことを思い出しながら、再び、その古老に確かめるように
「ここは、ダムに沈んだ村なんですよね」と尋ねたら、
「へぇ、そうなの?」と逆に尋ねられた。


ここは本当にダムに沈んだ村なのか、ぜんぜんそんなことは嘘なのか、
そして、私がかつて「ダムに沈んだ村なんだ」と聞いた記憶が夢だったのか、
わからなくなってきている。



そして、今日、ここを通る際、父が
「ここも 八ッ橋村 で使ったはずなんだよな」と言う。


私は、本当にハッとした。



なぜなら、私は、映画「八つ墓村」を始めとする市川崑監督作品の大ファンであり、
金田一シリーズならすべて鑑賞しているほどだし、


「八つ墓村」のロケ地がどこなのかとか、


なんなら、このストーリーの源となった事件とは何なのかとか、


全部知っているぐらいだ。


だからこそ、
「あの、怪しい湖から死体の足が突き出ている、有名なシーンのロケ地がここだった、ということを、自分は今の今まで知らなかったのか
と本当にハッとした。



しかし、家に帰って調べると・・・、


あの有名なシーンのロケ地は長野県の青木湖だそうで、
そもそも、
湖から逆さまになった死体の足が突き出ている有名なシーンは
「八つ墓村」ではなく
「犬神家の一族」であり、
父の記憶があやふやなのであれば、
私の記憶もあやふやであるという事実だけが残った。


私は「八ッ橋村の祟りだろうか?」そう思った。



それでは、最後に、
帰り道、夕方4時半の
夕陽が当たって色鮮やかな紅葉のように見えるが、
紅葉ではない山肌をご覧頂いてお別れです。



Thank you for reading my blog.
See you next time.
Bye-bye.


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※尚、滝観洞の画像はてきとうにネットから盗んだ画像です。
ごめんなさい。