デジャブ理髪店

ぶらり途中下車 散髪の旅
今回、降り立ったのは洞泉駅前バス停そばにある
「まこしきの森」という理髪店。


きっと、デジャブを感じている人もいるだろう。
そう、8月の記事「幸せな時間 街はずれの散髪屋」と同じ散髪屋さんだ。


お店へ入ってすぐに、体温を測られる。
34.6度。
女性店主に「大丈夫だね」と言われた。


俺は「そうか、大丈夫なんだ?」と思った。


前回も同じ体温だった気がする。


お店では名前を書かされるが、
そのノートをチラッと見ると、ご来店される皆さん、体温がだいたい34から35度だった。


このお店では、前回もだが、「今日はどうしますか?」とは聞かれない。
いつの間にか、店主さんが切り始めている。


「初めてのご来店ですね」と言われて、
「2回目です」とは言えなかった。


切り始めたところで、近所の人がやってきて、
店主に「洗濯機の水が溢れてるんじゃない?」と言う。


どうやら、家事もこなしながら、仕事をなさってたらしい。
家へ急いで戻っていった。


この辺では、「甲子柿」という煙でいぶした柿が名産だが、
「甲子柿は好き?」と聞かれたので、
「いや、先日、知り合いから、もらいましたけど、私はそうでもないです」と答えたら、
「そうかぁ、好きだったら、個人的に安く売ってあげたんだけどね」と言われた。


「結構、抜け目ないのかな」と思った。


ヒゲを剃ってる途中で、お店にかかってきた電話に出て、随分な時間しゃべってる。
「お客を待たすのだから、緊急な用事なんだろう。」
と思ったら、お友達からだった、らしい。


「いや、私が待てばいい」、ただそれだけだ。


しかし、確か、さっき剃ったはずの左の顎を
もう一度、剃られている気がする。


するとまたお友達からの電話


まさに、デジャブだった。


さすがだ。



きっと、次回、来た時には、また
「初めてのご来店ですね」と言われるはずだ。



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